イタリアのクリスマス文化:伝統行事、イルミネーション、食と祭り

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著者 Maria Gomez
2025/08/29 4分で読める

イタリアという、多様な文化が息づく素晴らしい国では、クリスマスはイタリア人はもちろん、訪れる人々を魅了する物語に満ちた祝祭となります。

この記事では、イタリアのクリスマスの魅力をご紹介します。伝統と何世紀も受け継がれてきた文化が融合する、その魅惑的な世界をご覧ください。

presepi(クリスマスの飾り)からcene di pesce(クリスマスイブのシーフードディナー)まで、それぞれの地域が独自の彩りを添えてクリスマスを祝います。

カバー写真

イタリアのクリスマス:伝統と祝祭

イタリアのクリスマスは、一日で終わるものではありません。様々な伝統行事や特別な食事、古くからの習慣が、クリスマスシーズンを彩ります。

この時期を象徴する重要な日を軸に、イタリアのクリスマスの過ごし方を詳しく見ていきましょう。

1. 12月8日:クリスマスの始まり

多くのイタリア家庭では、この日からクリスマスの準備を始めます。

彼らは自宅を飾り、美しい降誕場面の模型を作ります。

シンプルなものから、村全体を再現したような豪華なものまでありますが、どれもクリスマスの大切な伝統の一部です。

12月8日

2. 12月24日:クリスマスイブ

私にとってクリスマスイブは、家族と過ごす大切な時間です。イタリアでは、魚介料理を中心とした豪華な夕食を何時間もかけて楽しみます。

カトリックの伝統では、クリスマスイブに肉を食べるのは避けるべきとされています。夕食後には、教会で真夜中のミサに参加するのが一般的です。

特に敬虔なカトリックの家庭では、必ずと言っていいほどミサに行き、クリスマスの訪れを祝います。

3. 12月25日:クリスマス

クリスマス当日は、家族と集まり、美味しい料理を囲んで何時間も語り合い、笑い合うのが習わしです。伝統的なクリスマス料理が次々と運ばれ、食卓を彩ります。

クリスマスツリーは飾らない家庭もありますが、朝にはプレゼントを交換し、家族みんなで愛と喜びを分かち合います。

Natale

4. 12月26日:聖ステファノの日

クリスマスの祭りは、まだ終わりません。翌日の12月26日は聖ステファノの日で、祝日となっています。この日は、親戚や友人を訪ねてゆっくりと過ごし、クリスマスの余韻を楽しみます。

5. 1月6日:公現祭とラ・ベファーナ

1月6日、イタリアでは公現祭を祝います。これは、東方の三博士がベツレヘムに到着した日を記念するものです。子供たちは、良い子にはお菓子を、悪い子には炭をくれるという、優しい魔女ラ・ベファーナが来るのを楽しみにしています。

各地の町や都市では、パレードなどのイベントが開催され、お祭り気分を盛り上げます。

1月6日

イタリアのクリスマスならではの魅力とは?

イタリアのクリスマスの過ごし方をユニークにしているものは何でしょうか?イタリアのクリスマスの伝統について知っておくべきことは次のとおりです。

1. クリスマスはプレゼーペから

イタリアでは、プレゼーペ、すなわち生誕場面が一番人気です。クリスマスツリーよりも、イタリア人は複雑で精巧なプレゼーペの展示を作ることに力を入れています。

これらの展示は手作りであることが多く、それらを作る人々の献身と芸術的な才能を示しています。家族みんなで丁寧に飾り付けをし、それがクリスマスの飾りつけの中心となります。

生誕

2. 宗教的なルーツ

イタリアのクリスマスは、他の西洋諸国よりも宗教的な意味合いが強いです。ほとんどのイタリア人は、深夜ミサを含むいくつかの礼拝に出席します。

この伝統は、クリスマスの宗教的な意味を大切にするための方法です。

3. サンタクロースの代わりにラ・ベファーナ

サンタクロースは忘れて!イタリアでは、クリスマスに贈り物を持ってくるのはラ・ベファーナです。

このおばあさんはほうきに乗って飛び、1月6日の公現祭に子供たちにお菓子や「炭」を届けます。サンタクロースの方が一般的ですが、ラ・ベファーナはイタリアの神話の中で愛される存在です。

ラ・ベファーナ

4. 肉なしのクリスマスイブ

イタリア人は、ほぼ完全にシーフードを使ったディナーでラ・ヴィジルを祝います。この伝統はローマカトリックの断食規則に由来するものですが、私は賛成です。ウナギやもちろんワインなど、たくさんの魚が並びます。

5. 地元の雰囲気が感じられる公共のお祝い

イタリアのクリスマスは、地域の人々にとって大切なイベントです。他の場所のような大きな商業的な飾りつけは見られません。

町や村は、地元のクリスマスマーケットや小さな町のプレゼーペなど、精神的および文化的な活動に焦点を当てています。地域の人々が交流する良い機会です。

公共のお祝い

主な宗教と家族の伝統

1. 真夜中のミサと教会での礼拝

イタリアでは、特にバチカン市国のようなカトリックの伝統が色濃い地域で、クリスマスの真夜中に行われるミサは非常に人気があります。ミサは敬虔な気持ちと一体感に包まれます。

イエス・キリストの生誕を祝う壮麗な建築に囲まれ、地元の人々だけでなく旅行者も、共にこの宗教的な喜びを分かち合うことができます。

真夜中のミサ

2. プレゼーペ(キリスト降誕の場面)

イタリアでは、プレゼーペと呼ばれるキリスト降誕の場面の模型が、クリスマスの大切な要素となっています。

家庭に飾られる小さなものから、ナポリやアッシジのような都市の大きな展示会まで、プレゼーペは美術を通してキリストの降誕を伝えます。

イタリア各地で独自の工夫が凝らされたプレゼーペが作られ、飾られます。制作に携わる人も、鑑賞する人も、イタリアのクリスマスに欠かせない存在です。

プレゼーペを鑑賞することは、人々の深い信仰心に触れる機会となるでしょう。

3. 家族団らん

イタリア人にとって、クリスマスは家族と過ごす大切な時間です。食卓を囲み、時間をかけてゆっくりと食事を楽しみます。

プレゼントよりも、家族や親しい人々との交流、そして美味しい料理を分かち合うことが重要です。様々な世代が集まり、誰もが温かい気持ちでクリスマスを過ごせるようにします。

家族中心の集まり

イタリア人がクリスマスに食べるものは?

イタリアのクリスマスは、日本ではなかなかお目にかかれない、お祭り感あふれる美味しいご馳走が目白押しです。12月24日のラ・ヴィジリア(クリスマスイブ)には、カトリックの伝統に倣い、肉を控えるのが一般的です。

その代わりに、魚料理やベジタリアン料理が食卓に並びます。

ラ・ヴィジリア(クリスマスイブ)

1. カピトーネ

南イタリアでは、クリスマスイブにカピトーネと呼ばれるウナギのフライやオーブン焼きが欠かせません。

独特の風味は好き嫌いが分かれますが、好きな人にとっては、クリスマスの伝統的な味として特別な存在です。

カピトーネ

2.フリットゥーラ・ディ・ペッシェ

 ラ・ヴィジリアの人気料理といえば、フリットゥーラ・ディ・ペッシェ、つまり魚介のミックスフライです。様々な魚介類をカリッと揚げたもので、食感や味わいの変化が楽しめ、食事がさらに盛り上がります。

ナターレ(クリスマス当日)

1. 生ハムとチーズ

クリスマスの日には、イタリアでは前菜を出すのが定番です。美味しいサラミやチーズ、オリーブ、ピクルスなどは、誰からも愛される組み合わせでしょう。

スライスしたハムやサラミとイタリアワインがあれば、食卓は笑顔でいっぱいになります。クリスマスの日には、必ずと言っていいほど前菜の盛り合わせが登場します。

結局、ハムやサラミ、オリーブ、ピクルス、チーズは、誰もが好きなものばかり。美味しいおつまみとワインがあれば、自然と会話も弾みます。

生ハムとチーズ

2. ラザニアまたはカネロニ

多くのイタリアの家庭では、クリスマスのメインディッシュはパスタです。ラザニアや、肉、チーズ、野菜を詰めたカネロニなど、手間暇かけて作られた料理は、イタリアの祝祭を象徴する存在です。

伝統的なスイーツ

1. カルテッラーテ

カルテッラーテは、イタリアの伝統的なクリスマスのお菓子。らせん状の生地を揚げて、ワインシロップに浸したものです。「カルテッラーテ」という名前は、揚げた生地の複雑な形と、その美味しさに由来します。

一度食べたら止まらない、病みつきになる美味しさです。生地の扱い方をマスターすれば、意外と簡単に作れます。イタリアのクリスマスには欠かせないお菓子です!

カルテッラーテ

2. パンドーロ

ヴェローナ発祥のパンドーロは、イタリアのクリスマスに欠かせない、柔らかく黄金色のケーキです。粉砂糖をたっぷりかけていただきます。上品な甘さが、イタリアのクリスマスを優雅に彩ります。

ご馳走が並んだ華やかな食卓は、家族や友人が集まってお祝いし、喜びを分かち合う、イタリアのクリスマスのテーマを体現しています。

クリスマスの雰囲気と装飾

クリスマスのイタリアは、まるで魔法にかかったように魅力的です。街を歩けば、活気あふれる市場や広場、そして何とも言えない祝祭の喜びに満ち溢れていることに気づくでしょう。

1. クリスマスマーケット

イタリアは各地でお祭りムード満点のクリスマスマーケットが開催されることで有名で、ほとんどの街でクリスマスの喜びが広がっています。

ボルツァーノやトレントでは伝統的なアルプス地方の雰囲気が楽しめる市場が、フィレンツェやローマでは工芸品店や美味しい屋台が軒を連ねています。

焼き栗やホットワインの香りが漂い、クリスマス音楽が街に響き渡る、まさに魔法のような季節です。

おすすめのアクティビティ:職人たちの屋台を巡り、生演奏を楽しみましょう

場所:ボルツァーノ、トレント、フィレンツェ、ローマ

期間:通常11月下旬から1月上旬まで(開催期間は場所により異なります)

営業時間:通常午前10時から午後8時

食べるべきもの:焼き栗、ホットワイン、各地の特産品をぜひお試しください

クリスマスマーケット

2. 美しく飾られた広場と通り

クリスマスのイルミネーションは格別です。イタリアの街は、クリスマスの演出が実に上手! 広場や通りは美しく飾り付けられ、ライトアップされ、キリスト降誕をテーマにしたアート作品があちこちに飾られています。

寒さは厳しいですが、お祭り気分を味わうには最高の場所です。ミラノはイルミネーションイベントで特に有名で、トリノも同様に街全体がきらびやかに輝きます。

おすすめのアクティビティ:きらめく光の下で夜の散歩に出かけましょう

場所:ミラノ、トリノ

期間:12月いっぱい

営業時間:通常、日没から深夜までライトアップ

食べるべきもの:近くの屋台でパネットーネなど、地元のストリートフードを味わいましょう

3. ライブ・キリスト降誕劇

南イタリアのバジリカータやカラブリアなど一部の地域では、キリスト降誕を再現するライブ劇が上演されます。中世の村を舞台に、町全体が参加して繰り広げられる劇は、臨場感にあふれています。

特別な雰囲気の中で、伝統的で心揺さぶられる体験となるでしょう。

おすすめのアクティビティ:クリスマスの物語を伝える、ライブ・キリスト降誕劇を鑑賞しましょう

場所:バジリカータ、カラブリア

期間:12月のほとんどの期間、クリスマス前後がピーク

営業時間:通常、夜に上演

食べるべきもの:ストゥルフォリなどの地元の焼き菓子や、地元のワインを少し味わってみてください

生きた降誕劇

イタリアのクリスマスデコレーションや雰囲気を存分にお楽しみください。どの市場、どのイルミネーション、どのキリスト降誕劇も、イタリアの生活や文化を垣間見せてくれるようで、ホリデーシーズンをいっそう特別なものにしてくれます。

実用的な旅行のヒント

クリスマスにイタリアへ行くのは、まるで魔法にかかったような、そして美味しい体験です! 旅を最高にするためのヒントをいくつかご紹介します。

1.旅行のタイミング

11月下旬から1月上旬に訪れて、クリスマスのイベントを余すところなく楽しんでください。 クリスマスマーケットやイルミネーションが登場し、シーズンならではのイタリアを体験できます。

2.基本的なイタリア語を覚えよう

多くのイタリア人は英語を話せますが、「Buon Natale」(メリークリスマス)や「Grazie」(ありがとう)など、基本的なイタリア語を知っていると、より旅が楽しくなります。

3.現地の習慣を理解する

イタリアのスタイルを取り入れましょう。 イタリア人は家族や地域社会を大切にします。 現地の伝統行事に参加することが、この時期を楽しむ一番の方法です。 ミッドナイトミサに参加したり、地元のクリスマスマーケットを訪れてみましょう。 ホリデーシーズンはイタリアを満喫しましょう!

4.祝祭日を尊重する

クリスマスの日や公現祭などの祝日にも注意しましょう。 ほとんどのお店はお休みですが、広場やコミュニティのイベントではお祝いムード一色になります。

クリスマスのヒント

FAQ

1. イタリアの生きた降誕劇では何が見られますか?

南イタリアでよく見られるこれらの劇では、村全体が参加してクリスマスの物語を再現します。通常は、絵になる歴史的な場所が選ばれます。

2. イタリアのクリスマスマーケットでおすすめのアクティビティは何ですか?

工芸品の屋台を見て回ったり、ライブ音楽を聴いたり、ローストした栗やホットワインなど、地元の味覚を味わったりして楽しめます。

3. クリスマスを楽しむためにイタリアを訪れるのに最適な時期はいつですか?

11月下旬から1月上旬にかけて、イタリア各地のクリスマスマーケットやイルミネーションなど、クリスマスの飾りつけを存分に楽しむことができます。

4. イタリアのクリスマスシーズン中に都市間の移動は簡単ですか?

はい、イタリアには鉄道やバスといった公共交通機関が発達しており、クリスマス休暇中に各地の都市や町を巡るのに便利です。

結論

イタリア人にとって、クリスマスは単なる祝日ではなく、何世紀もの伝統に根付いた、まさに生活の一部です。家族や地域社会との繋がりを大切にし、街全体が温かい雰囲気に包まれる特別な時間なのです。

この記事では、イタリア流のクリスマスの楽しみ方をご紹介します。古(いにしえ)の教会でのキャンドルミサ、山の市場に響き渡る賛美歌、街角の屋台で売られる焼き栗など、本場の雰囲気を味わってみましょう。

お祝いの際には、心を込めて「Buon Natale(メリークリスマス)」と挨拶を交わしましょう。このシンプルな言葉には、イタリアのクリスマスならではの喜びと温かい一体感が込められています。